ノーベル文学賞に一番近い村上春樹。2015年は惜しくも受賞を逃しました。
しかし、毎回受賞が噂される村上春樹の作品は、村上春樹のファンことハルキニストでなくても一度読んでみたくなるものです。
そこで今回は、村上春樹おすすめ作品ランキングを企画してみました。
村上春樹の初心者に送るおすすめ作品はこちらからどうぞ。
村上春樹のプロフィール
村上作品を見る前に、まずは村上春樹のプロフィールを見てましょう。
【引用:matome.naver.jp】
生年月日:1949年1月12日
出身地:京都府京都市
出身校:早稲田大学第一文学部演劇科
代表作
『風の歌を聴け』(1979年)
『羊をめぐる冒険』(1982年)
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(1985年)
『ノルウェイの森』(1987年)
『ねじまき鳥クロニクル』(1994年・1995年)
『アンダーグラウンド』(1997年、ノンフィクション)
『海辺のカフカ』(2002年)
『1Q84』(2009年・2010年)
作家として有名な村上春樹ですが、実は意外にも演劇畑出身です。
そして、もう1つ有名なエピソードとしては、ジャズをこよなく愛する村上春樹は、一時期水道橋のジャズ喫茶「水道橋スウィング」で働いていた事もファンのなかでは知られています。
ジャズ愛がとどまることを知らない村上春樹は、1974年についに自分でジャズ喫茶を開店します。
それがジャズ喫茶「ピーター・キャット」。
こうやって見てみると不思議なんですが、実は村上春樹はこの当時小説家など目指していませんでした。
そんな村上春樹の転換点が訪れたのが1978年の事。
野球観戦していた村上春樹は突然小説を書く事を思いつきたそうです。
まったく脈絡が分かりませんが、それが天才というものなのでしょう。
では、そんな村上春樹はどのようにして人気作家の道を駆け上っていったのでしょうか?
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風の歌を聴け
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村上春樹が作家として、華々しくデビューすることになったのが「風の歌を聴け」です。
この作品は第22回群像新人文学賞を受賞したことで一気に注目を集めました。
そして受賞こそは逃すものの第81回芥川龍之介賞および第1回野間文芸新人賞候補や、翌年『1973年のピンボール』で第83回芥川龍之介賞および第2回野間文芸新人賞候補となるなど注目を集めました。
これが1978年の話。
そして、1981年には専業作家となる事を決意しジャズ喫茶「ピーター・キャット」も他の経営者に一任して作家としての作業に没頭していきます。
1985年には2つの物語が交互に進行していく長編『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』発表して第21回谷崎潤一郎賞受賞しました。
思えば、この作品が村上作品の独特な交互展開の作品のベースになっているようにも感じられます。
オススメNo1 ノルウェイの森
その後に刊行されたので、もはや村上春樹イコールと言っても過言ではない超大作「ノルウェイの森」です。
正直、前半のストーリーはセンセーショナルな感じですが、後半に入ってくると村上ワールド全開で頭の中で不思議な森、村、少女がどんどん再現されてしまうといった読書家には読み応え満点の作品でした。
ただ、普段から本を読んでいない人には少々理解が難しい作品でもあったのではないかと思います。
多少の性的な表現もあるので、中学生~高校生ぐらいから読んでみると良い作品ではないでしょうか。
青年期の悩みや葛藤がリアルとフィクションを交えて描かれているので読み応えは相当のものです。
また、そんじょそこらの作家とはワンランク上の情景描写がされているのも魅力の1つです。
読んでいると、本当にその場面が目の前に浮かんでくるような繊細な表現がいたるところで出てきます。
※ただし、多少難しい言葉もあるので字引するのは覚悟したうえで楽しむ作品です。
村上春樹の入門には一番持ってこいの作品がこちらかと思います。
村上春樹が小説の神なら手塚治は漫画の神様です
サカナクションのバクマン主題歌新宝島は手塚治の漫画が原作!
オススメNo3 ねじまき鳥クロニクル
こちらは3部作シリーズものです。
でも、「ねじまき鳥」なんていうSFチックなタイトルとは違って、読者を少々悩ませる作品になっています。
このあたりから、村上作品の”読者に考えさせる”趣向が用いられているように思います。
正直なところ、この作品は村上作品初心者向けではありません
この作品では「井戸」と深層意識がシンクロして描写されているのが特徴です。
井戸=精神世界のような不可思議な世界。
自分なりに作品の意図するところを読み取るように、ある意味「意地悪く」表現されていると言ってもいいのではないかと思います。
オススメNo2 海辺のカフカ
こちらもなかなか難しい作品です。
物語の最初から登場するカラスと主人公の関係が最後まで理解できないと、正直何を言っているのか分からずに終わってしまいます。
そして、そうなる人は少なくないのではないかと思います。
他にも猫とかまともにしゃべれないおじいさんが織り成す不可解なストーリーが主人公のストーリーと付かず離れずで同時進行していきます。
主人公の描くイメージというか精神世界と現実世界が物語の中で完全にシンクロしてしまって、読んでいる読者も、今、何処にいるのか?と混乱しても仕方のないぐらいの作品です。特に物語の終盤では2つの世界が1つに溶け合ってしまうので、読み手は自分が物語と距離を置いて見てみる必要も出てきます。
しかし、この作品の言わんとするところを知る事ができれば、村上春樹作品を知る為の取っ掛かりなるのかと思います。
少しヒントを出すとしたら、カラス=自分と主人公が気づいているのかどうか?というところを考えながら読んでみるとオモシロいかと。
というよりは、それぐらいの予備知識を最初に教えてもらえると理解しやすいのでは・・・とも思いました。
多分、この作品は何度か読み返して咀嚼すろことを前提に描かれたと踏んでいます。
まとめ
ノーベル文学書に一番近いといわれている村上春樹さん。
今回ご紹介した作品以外でも、新しいものであれば「1Q84」や「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」なんかも話題になりました。
その作品は、正直なところ少々難解な部分もありますが、読み解いていくと推理小説の謎を解明したときの余蘊スッキリとした感覚を味わう事ができます。
何より・・・本当の本といえるものが少ない今の時代では、村上春樹作品は他の作品とは違った楽しみ方がある事は間違いない!
ではでは。
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